導入事例

太田紙販売株式会社 様

使用ソリューション:NPROTS

抜擢された若手社員を中心に、全社一丸となって新システム導入

大正10年、初代安田善治郎の義弟であった太田弥五郎の手で設立されて以来、板紙を中心に90年という長い歴史を刻んできた太田紙販売株式会社。現在は日本大昭和板紙グループの一員として、関東を中心に広い商圏を持っています。
2010年12月にはNPROTS採用の新システムを導入、社内体制のさらなる強化を実現されました。

業務・営業・経理の相互理解と、若い力で新システムの導入を

2010年12月、NPROTSによる新システムを導入された太田紙販売。導入を実現されるまでの経緯とそのねらいについて、山口賢治社長はこのように話されます。
「それまでのシステムが2010年11月末に更新時期を迎えるのにあたり、1年ほど前から対応を検討していました。継続更新という選択も可能だったのですが、あえて新システムの導入に踏み切った理由としては、システム自体のパワーアップもさることながら、会社全体でひとつのことに取り組むよい機会にしたいという思いもありました。業務、営業、経理というそれぞれの社員がお互いの仕事について理解を深めるチャンスでもあり、特に若い社員たちに参加意識を持って、自分たちが使いやすいシステムを自分たちの手で作ってほしいと思ったのです。ですから具体的なシステム構築に関しては私は口出しせず、業務や営業の若手社員からそれぞれ担当者を指名して一任しました。NPROTSを選んだのは、親会社である日本大昭和板紙のシステムともリンクできることと、やはり紙について長年の経験を持つJPICさんの信用という点も大きかったですね。」山口社長からの具体的な指示は、12月1日という導入のリミットと、旧システムとの併用期間を置かないという2つだけ。およそ半年の準備期間を経て、11月最終の土・日を使っての切り替えとなりました。
「どうせ新しくするのなら、併用などせずに一気に変えた方がいい。当面の目標として基本的な日常業務が間違いなくできれば、あとは運用しながら使いこなしていくこともできるでしょう。幸いに大きな問題もなく順調にスタートを切ることができましたが、本格的な活用はまだこれからといった段階でもあります。」(山口社長)

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(左から)管理本部総務経理部係長の中路卓さん、 山口賢治社長、 営業本部営業部主任の水谷朋宏さん。

業務、営業それぞれの分野で、新システムによるパワーアップを実現

新システムの導入に際しては、山口社長の命により各部署から選ばれた若手社員の方が、具体的な構築や準備に当たりました。業務を代表してシステム担当となった加藤さんに、導入までのご苦労などをうかがいました。
「特に苦労した点というのはありませんが、大変だったのは商品情報の入力でしょうか。当社の扱いは9割以上が板紙ですが、洋紙も含めて細かく分類すれば扱い品目は約8万点に上ります。主力となる商品はごく一部なのですが、せっかくNPROTSを入れるならできる限りNPROTS内で検索できる体制を作りたいと考え、すべての商品情報の入力を目指したのです。他の社員にも協力してもらいましたが、作業としてはこれが思ったより大変でしたね。」
太田紙販売でのシステム利用は業務4名、経理3名、営業10名の17台体制。運用開始に当たっては、まず業務担当者が中心となって講習などを受け、他の社員の方々を指導する形で利用を進められたそうです。
「新システムになって使い勝手は多少変わりましたが、もともと顧客番号や商品番号などの番号類を変えないよう工夫していましたので、慣れるのにそれほど時間はかかりませんでした。また、これまで業務の中でも限られた人間しかできない作業などがありましたが、新システムでは全員が同じレベルで使えるようマスターしたことで、全体としての底上げ、パワーアップに繋がったと思います。」(加藤さん)
同じく営業を代表して担当された水谷さんは、新システムの営業面での成果をこう話します。
「これまでのオフコンベースのシステムからNPROTSになったことで、データがエクセルに落とせるようになったのが営業的には大きな進化です。お客様からのお問い合わせなどに対しても、今までは新たに書類を作ったり、プリントしてお送りするなどの手間がかかっていましたが、これからは必要なデータをすぐにエクセルに落とし、そのままメールするなど迅速な対応ができます。今後は、例えば前年実績に基づいてお客様に先回りしたご提案を行うなど、データをいかに活用して営業に繋げていくかが、営業社員の大きな課題だと考えています。」
導入から約2ヶ月を経た現在、さらなるシステムの進化についてどのようにお考えか、お2人にうかがいました。
「業務面で直近の課題は、JP-NETとのリンクを完成させること。それにより2度打ちなどの無駄も減少し、より以上にNPROTS内で完結したシステムが実現すると思いますので、JPICさんのご協力のもと、早期の実現を目指しています。」(加藤さん)
「営業では現在、自社加工品の拡販に注力しています。将来的にはNPROTSの加工管理サブシステム導入など、システム面も含めた加工品への対応を強化していきたいですね。」(水谷さん)

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営業本部営業部の加藤学さん、
営業管理本部総務経理部課長代理の瀧田昌彦さん。

自社加工品の開発・販促に向け 将来的なシステム進化も検討

太田紙販売では、4月には市販のパッケージソフトを利用した経理システムの入れ替えも予定されており、2010年から取り組まれた一連のシステム刷新が完了する見込みです。最後に、システムも含めた今後の同社の経営方針について、山口社長にうかがいました。
「今回の導入で、システムに関してはもう若い社員たちの手にゆだねることができ、私が口を出す余地もなくなったのではないかと思いますね。全社的な方針としては、先ほど水谷からも出ましたが、自社加工品の開発と販促というのが最大の目標。独自性を持ちにくい紙という商品の中で、他社と競合しないオリジナリティを持つ自社加工品の可能性は、今後さらに大きくなると考えています。現状でも加工品は売り上げの約15%を占めていますが、これをまずは20%程度にまで拡大させたい。またその過程では、顧客対応という面から加工の工程を業務担当者も含めて把握する必要がありますから、NPROTSの加工管理サブシステムには私も期待を寄せています。」

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太田紙販売が力を入れる
自社開発の紙製ボックス

企業プロフィール

所在地 東京都台東区柳橋1-31-6
TEL 03-3851-2131(代)
社長 山口 賢治
創業 大正10年
資本金 1,500万円
従業員 17名
導入月 2010年12月
URL http://www.ohta-sc.co.jp/

 

※本文中の肩書および内容は2011年取材当時のものです。

 

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