導入事例

野崎紙商事株式会社 様

使用ソリューション:NPROTS

積極展開するオリジナル紙製品事業が、NPROTS導入によりさらにパワーアップ。加工管理の大幅な省力化を実現しました。

名古屋市に隣接する七宝町にある野崎紙商事株式会社では、従来の洋紙・板紙販売に加えて、オリジナル紙製品の開発・製造・販売に積極的に取り組んできました。昨年2月のNPROTS導入により、高度な加工に伴う煩雑な工程管理を一元化。業務の省力化を図り、さらなる事業拡大に向けて万全の体制を実現しました。

紙卸業の枠を超える画期的な紙製品事業を展開

野崎紙商事のユニークな独自性、それは自社開発によるさまざまな紙製品の製造・販売を幅広く手掛けていることにあります。
本格的な事業化の契機となった「かみうちわ」や「ポケットティッシュBOX」をはじめとする多彩なノベルティ商品、板紙販売の豊富な経験から生まれたパッケージ類、さらにポップやディスプレイなどの製品は多岐にわたり、そのいくつかは製法特許や意匠登録、実用新案も取得しています。紙製品事業の売上比もすでに洋紙・板紙販売を上回り、全売上の約6割という実績を挙げています。
このような独自の事業展開について、野崎伸也社長はこう語ります。
「当社は昔から板紙の取り扱いが多く、パッケージや製品加工のお客様を多く持っていました。私自身“ものづくり”が好きなこともあり、紙を売るより製品を作りたいという思いは、以前から持っていたのです。その後、お客様から加工の相談や依頼を受けるようになり、最初は外注対応でお引き受けしていたのですが、平成6~7年頃から注文が増えたために加工機を導入、自社加工を始めました。」
同社の紙製品事業が飛躍する先駆けとなったのが、自社開発した最初のヒット商品「かみうちわ」の誕生です。その最大の特長は、柄の部分も含めてすべてが再生紙であること。プラスティック部分がないため丸ごと再生ができ、形も自在で表面印刷のクオリティも高いというメリットがあります。開発までの経緯を野崎社長に伺いました。
「今から7~8年前、懇意にしていたメーカー様から牛乳パック再生板紙拡販のご相談をうけたのを機に、牛乳パック再生品の“うちわ”販売を手掛けることに。東京の展示会に出展したところ、予想外の反響をいただきました。
そこで難点だった印刷発色の問題をクリアするため、一般再生板紙を使った「かみうちわ」を自社開発。当初は手作業だった仕上げ工程も機械化し、大量生産を可能にしたことで一気に実績を伸ばしました。同じ頃に開発した“ポケットティッシュBOX”にも大手企業からの発注が相次ぎ、ある生保会社から50万個という注文をいただいたことで、紙製品事業の可能性に確信を持つことができたのです。」

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代表取締役社長
野崎 伸也

小ロット対応により顧客を拡大昨年には東京進出も果たす

紙製品の企画・開発業務の増加に伴って、新たな設備導入も行いました。新製品のプレゼンに必要な少数のサンプル作りを自動化するため、紙厚5cmまでの多素材に対応する大型オンデマンドプリンターと、CADによる自動カッティングシステムを導入。1個からの小ロット対応が可能になったことで、サンプルだけでなくポップやディスプレイなど、新たな製品分野も広がりました。
「面白い例では、あるテレビ局からドラマの小道具に使う架空のパッケージを作ってくれという注文がありましたね。東京での展示会出展はその後も続けていますが、代理店や企画会社のみならず、あらゆる業種の企業から直接発注をいただいています。昨年8月には東京営業所も開設、かねてからの計画だった東京進出を果たしました。」
5~6年前からはWeb受注も開始。全国各地にお客様を広げるとともに、小ロット対応によりエンドユーザーからの受注も増えているといいます。

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営業本部3階の展示室
これまで手掛けた多彩な製品

増大した加工業務を合理化する NPROTSの加工管理サブシステム

紙製品事業が広がりを見せるとともに、高度な加工に伴う工程管理などの業務もいっそう煩雑さを増しました。そこで昨年2月、従来のパワーズから、加工管理サブシステムを備えたNPROTSを導入。社内情報の共有化による加工管理の一元化を実現したのです。
「紙卸業に特化したパワーズは、それまでの汎用システムに比べて非常に使いやすく、満足のいくものでした。ただ導入から10年を過ぎたこと、またその間に当社の加工業務が飛躍的に増えたことなどから、システムの見直しを考えたのです。どうせ入れ替えるなら、加工の部分で最大限の省力化ができるものをと考え、他社も含めて比較検討した結果、やはり加工管理システムを持つNPROTSが最適と判断しました。」
どのような点で省力化が図れたのか、具体的に見ていきましょう。まずオフコンであるパワーズの時代は、加工製品の見積書は営業担当者がそれぞれにパソコンで作成、受注が決まってからオフコンに再入力するという二度手間の作業でした。さらに工務の過程でもパソコン作業や手書き伝票が発生するなど、ひとつの加工製品の工程で、部署ごとにオフコン、パソコン、手書きの作業が必要となる非効率な体制となっていました。
NPROTSでは、始めに営業担当者が入力した見積情報をもとに、すべての部署でひとつの画面による情報共有ができ、業務の一元管理が可能に。作業の簡略化はもとより、入力ミスや重複手配なども防ぐことができます。また製品や顧客ごとの詳細な作業指示や注意事項を備考として入力できるため、これまで担当者の知識や経験に頼っていた情報も画面を通して共有でき、担当者以外でも迅速で正確な加工手配が可能になりました。さらに導入後に開設した東京営業所からの受注も、タイムロスなく工務部での手配にかかれるなど、大きな力となっています。
「NPROTS導入には、東京進出を見込んでという面もありました。導入の成果については、今のところ文句なしですね。現場の評判も上々で、NPROTSを選んで正解だったと思っています。当社からも厳しい要望を出しましたが、JPICさんにはよく応えていただいたと感謝しています。」
新システム導入により、さらなるパワーアップを果たした野崎紙商事。新たな製品開発にも積極的に取り組み、現在はトッパンフォームズとの共同開発によるオーディオ・ペーパー内蔵「しゃべる紙」の製品化など、これまで以上に画期的な事業展開を続けています。

企業プロフィール

所在地 愛知県海部郡七宝町川部出屋敷56
TEL 052-441-7511
社長 野崎伸也
創業 昭和30年2月
資本金 2,000万円
従業員 27名
導入月 2008年2月
URL http://www.nozack.co.jp/

 

※本文中の肩書および内容は2009年取材当時のものです。

 

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