日本板紙加工株式会社 様
使用ソリューション:ASVAP
オープンシステムによる合理化を目指し
自社仕様の貼合加工管理システム「ASVAP」を開発
同社では2011年4月、貼合業務に特化した加工管理システム「ASVAP」を導入。日本製紙グループのネットワークにも接続して、業務の大幅な合理化に成功しました。
独自性の高い自社業務に合わせまったく新しいシステムを開発導入
「当社は板紙の貼合専門という事業の特殊性から、これまで自社で開発した独自の加工管理システムを使っていました。社内的にはそれで機能していたのですが、まず外部とのネットワークに接続ができない。そのためデータの二重入力や、エクセルベースでのやり取りなど、作業の無駄が非常に多かったんです。また当社は日本大昭和板紙の子会社で日本製紙グループに属しますが、グループ全体として高いセキュリティ管理や安全性強化の方針があり、グループのネットワークと結ぶ必要もありました。それで新しくオープンなシステムの開発に踏み切ったのです。」(大場一政社長)
新システムの導入は2011年4月。2年ほど前から導入の検討を始め、JPICと、親会社である日本大昭和板紙システム室のご協力もいただき、約1年がかりでシステムを設計しました。全国でもめずらしい巻取貼合機を2台所有し、専門性の高い業務を行う同社向けに開発された貼合加工管理システム「ASVAP(アスバップ)」の誕生です。
PRIME2とASVAPの連動で受注から工程管理まで大幅に合理化
ASVAPが目指したものはいくつかあります。まずは二重入力解消などの業務の効率化。同社の営業部門である日本大昭和板紙の営業系システムPRIME2とASVAPとを結ぶことで、注文情報の自動受信が可能に。ファクスで注文書を受け、社内で再入力するという二重入力が不要になり、効率化と同時にミスの解消にも繋がっています。
またASVAPの大きな特長として、工程管理全体のシステム化を実現したことがあります。貼合・断裁・結束・外注加工といった工程ごとに作業計画を組み、それぞれの現場への指図書を自動発行。それまで各工程で計画を組み、エクセルで出力していた指図書の作成が大幅に省力化されました。
さらにこれらすべての情報を、誰でも見ることができる「見える化」の実現も大きなメリットです。親会社内の営業サイドでもおおよその進捗状況が把握できるため、お客様への納期の情報なども迅速に提供できます。PRIME2での生産依頼ナンバーに引き継がれ、受注から加工工程までのトレーサビリティ(追跡)が可能となり、それをすべての関係者が確認できるのです。
営業サイドと作業現場のどちらにも大きなメリットに
実際にシステム開発に携わった堀池達也さんに、開発までの経緯と導入の成果をうかがいました。
「開発に当たっては、まず現場作業員にできるだけ文字を打たせないことを目指しました。入力は基本的に数字とバーコードのみ。機械を操作しながらの入力は難しいので、作業実績は終了後にまとめて入力するのですが、最低でも1時間半から2時間近くかかっていた入力作業が、長くても1時間以内に短縮。その分、本来の作業に集中できる時間が増えたと思います。また営業サイドの入力も、基本的に品目や数量などの注文規格のみ。原紙構成や加工工程、断裁寸法、包装などの詳細情報はマスターから自動で作成されますから、こちらも省力化できました。見える化によって営業サイドからの納期の問い合わせなども減り、どちらも大きなメリットになったと思っています。ただその分、導入前のマスター作成は大変でしたね。なるべく自動化できるよう、20~30ものマスターを作りましたので、その設計はJPICさんにも苦労をおかけした点だと思います。」
ASVAPにより大きな進歩を遂げた日本板紙加工のシステム。最後に大場社長より、ASVAP導入と今後の同社のシステムについてうかがいました。
「ASVAPの導入で、システムの安全性やセキュリティ面も大きく向上しました・自社内にサーバを置かないことは防災対策にもなり、また外部とのデータのやり取りはすべて日本製紙グループのサーバを通すため、厳しいセキュリティ管理も実現されています。
将来的な目標としては、貼合機の稼働データをマシンからシステムに直接取り込むことを考えています。技術的に高度な目標ですが、すでに大規模な製紙工場などでは実現しているもの。次の一歩として、常に先を見ていかなくてはならないと思っています。」
企業プロフィール
所在地 | 埼玉県草加市松江3-17-7 |
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TEL | 048-936-5021 |
社長 | 大場一政 |
創業 | 平成13年 |
資本金 | 5,000万円 |
従業員 | 43名 |
※本文中の肩書および内容は2012年取材当時のものです。