導入事例

土佐紙業株式会社 様

使用ソリューション:NPROTS

時代のニーズに応えるサービス提供を目指し、NPROTSを採用した新システムに刷新

かつて大阪の紙産業の中心地だった中央区に創業し、日本大昭和板紙の代理店機能も併せ持つグループ企業として、関西から西日本一円に広い商圏を誇る土佐紙業株式会社。
2009年のNPROTS採用によるシステム刷新で、業務の大幅な効率化と省力化に成功されました。

オフコンからパソコンへ  移行もスムーズに実現

「大阪にありながら土佐紙業という当社の社名は、創業者が土佐出身であり、親会社の前身である日本紙業の高知工場などの製品を中心に扱っていたためと聞いています。設立当時から親会社の現・日本大昭和板紙の代理店的な機能を持っており、現在でも約7割が卸商への販売、直販は約3割というところが、他の卸商さんとは違う当社の特長でしょうか。」中川保彦社長はそう話されます。
土佐紙業の新システム導入は2009年12月。それまでのオフコンベースのシステムから、NPROTSを採用したパソコンベースのシステムに刷新されました。同社のシステムの変遷に詳しい常務の藤川俊雄さんに、その経緯をうかがいました。
「以前のシステムは15年以上使っていましたが、その過程でさまざまな不具合や要望などが出ていました。2009年の更新時期を前に、それらの問題が解消できるシステムの構築を目指して、他社のシステムや、あるいは自社独自のソフト開発なども視野に検討を行ったのですが、やはりJPICさんの豊富なノウハウを安価に使えるという点から、NPROTSを選択したのです。以前のシステムでは、導入切り替え時に大変苦労をした記憶があり、今回はオフコンからパソコンということもあって心配していたのですが、思った以上にスムーズな切り替えが実現しましたね。万一のバックアップ用に従来システムも残しておいたのですが、それもほとんど使わないまま、2010年には撤去となりました。」

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土佐紙業を率いる中川保彦社長

合理化・省力化のメリットに加え、サーバ等保守の負担も軽減

新たなシステム構築に際しては、親会社からのサポートとともに社内プロジェクトを立ち上げ、まずはJPICによるヒアリングからスタート。そこで出されたさまざまな要望に基づいて作業が進められました。
新たなシステムにより実現した効率化、省力化の主なポイントは次のようなものです。
第一に、親会社である日本大昭和板紙のPRIME2とNPROTSを連携し、カミネット経由で出荷データのやり取りを行うことで、伝票の二重入力を無くしました。第二に仕入先に対する随時発注や物流業者に対する配送手配を自動FAXで行うことで、作業ミスのリスクを大幅に軽減しています。第三に主要運送会社への発送指示も、カミネットのP-EDIを利用した伝票の自動化が実現しています。また自社倉庫である稲田物流センターには端末とプリンターを設置、社内で入力した出庫配送伝票の出力が可能になっています。
「運用開始後もJPICさんから月1回のヒアリングがあり、そこで出たさらなる課題にも対応していただきました。代理店としての機能を持つ当社は、卸商さん向けの基本モジュールには収まりきらない部分があったので、これは有難かったですね。」(藤川常務)
実際のシステム運用の現場では、どのようなメリットが実現されたのでしょうか。総務経理部で情報システムを担当される黒原剛志さんにうかがいました。
「とにかく手が掛からないというのが最大のメリットです。自社内にサーバを置いていた頃はメンテやバックアップといった作業に時間が取られ、修理など電源を落とさなければできない作業の場合は、業務時間内に収まらないことも。機械の“お守り”をしなくていいというのが有難いです。またデータをエクセルに落とせることで、その活用も自在になりました。以前もオプショナル機能などを使って一部で行ってはいたのですが、パソコン化されたことで操作も格段にラクになり、誰もがデータを活用できるようになったのは大きな進歩です。切り替え当初は使い勝手の違いなどから戸惑いも見られましたが、社員全員が使いこなせることを目標に勉強会なども行って、今では営業、業務、経理の全員が1人1台体制で使っています。」

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管理本部長業務部長の
藤川俊雄常務

先進のシステム構築や環境対応 時代に先駆けた姿勢を目指す

NPROTSの導入から約1年、順調なシステム運用を続ける土佐紙業ですが、今後のシステムについてどのような希望をお持ちでしょうか。藤川常務にうかがいました。
「NPROTSは次バージョンの開発も進められていると聞きましたが、NPROTS自体のさらなる進化にも期待しています。JPICさんとのお付き合いはまだ2年目ですが、当社のような新しいユーザーが加わり、これまで収集しきれていなかった新たなニーズに対応することで、NPROTSもさらに進化を続けて欲しい。そのための課題の提供は、今後も続けていきたいと思っています。」
最後に中川社長より、システムを含めた全社的な経営方針について、土佐紙業が目指す今後の方向性をうかがいました。
「市場環境が大きく変化する昨今、新しい時代にいかに対応してゆくかという点は、常に考えていなければならない課題だと思っています。システムにおいては、情報ネットワークへの参加、また倉庫・配送サービスの充実もそのひとつ。今は倉庫業も一種のサービス業であり、スピードや確実性といった品質が求められる時代です。その充実を考える時、システムの進化は欠かせない要素だと思いますね。また、環境問題への対応も積極的に取り組んでいきたいと考えています。顧客や消費者の環境への関心は、今後さらに高まることが予想され、環境に適切で社会利益に適う製品の提供は、紙業界全体の課題となっていくことでしょう。当社は3年前に森林認証(FSC/PEFC)を取得しましたが、それもこの取り組みのひとつ。現在は紙卸商の認証取得も増えていますが、必要な対応は時代に先んじて行う姿勢を、これからも持ち続けていきたいですね。」

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社内風景

企業プロフィール

所在地 大阪府大阪市中央区農人橋2-1-11
TEL 06-6942-1281(代)
社長 中川 保彦
創業 昭和23年
資本金 4,800万円
従業員 30名
導入月 2009年12月
URL http://tosashigyo.co.jp/

 

※本文中の肩書および内容は2011年取材当時のものです。

 

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