導入事例

JPICBOX 2015 NO.27 掲載合資会社 井上勲紙店 様

使用ソリューション:PROTSⅣ

継続性とさらなる合理性を求め、
最新のPROTSⅣを採用。

江戸時代から南蛮貿易で栄え、明治維新の舞台のひとつともなった国際都市・長崎。
そんな長崎の地で、井上勲紙店は創業から120余年という長い歩みを続けてきました。
昭和50年前後という早期に導入されたシステムは、リプレースを重ねて着実に進化。
2014年9月には最新のPROTSⅣを採用し、継続性と合理性のさらなる向上を実現しました。

最新のPROTSⅣを導入し 継続的に使えるシステムを

今回のリプレースの背景には、前システムの稼働から8年が経過していることに加え、WindowsXPやWindowsServer2003の保守終了という問題もありました。これらに対応し、より長期的なシステム運用を可能にするため、オープンソフトウェアで開発されたPROTSⅣを導入。ハードウェアも一新し、最新の業務環境を実現しています。
今回のリプレースについて、システム担当の井上雅文副代表は次のように話されます。
「リプレースに当たって特に要望したことは、継続的に使えるという点。今回はデータベースシステムも変わりましたが、データベースの中身を公開し、これまでと同じ中身、同じ使い勝手を実現していただくことを重視しました。ですからリプレース前の社員研修などもまったく不要で、負担なく切り替えできましたね。この点は、長く手がけているJPICさんの強みといえるでしょう。また、当初パソコンはWindows7での提案でしたが、やはり少しでも長く使え、地元でも入手しやすいなどの事情から、Windows8への変更にも対応していただきました」

システムの具体的な改善点としては、倉庫のロケーション管理をサブシステムとして採用したのが大きく進化した点です。これまでも、ロケーション管理は従来のシステムを工夫して行っていたそうですが、サブシステムとして組み込むことでより合理的な運用が実現。伝票入力も大幅に簡素化されたそうです。また前述の水害の経験などから、特に東日本大震災後はBCP(事業継続計画)対策の必要性も感じておられたと井上副代表は話されます。
「データのバックアップをどうするかは懸案事項でしたが、新システムではバックアップ体制も万全になり、データは遠隔地の安全なデータセンターで守られます。そうなると逆に通信途絶の対応はどうするか、といった問題も浮上しますが、とりあえずデータを完全に守るという点では一歩前進だと思っています。

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早期に導入された自動ラック倉庫

紙世界で生き残るため、システムの進化は不可欠

昭和50年頃という早期のシステム導入から今回のPROTSⅣまで、常に最新のシステム体制を追求し続ける井上勲紙店。最後に井上副代表が描くシステムの将来像と、JPICへのご意見をうかがいました。
「紙というのは非常に特殊な世界で、大きさや種別が大変多く、当社でも登録コードは1万件を超えます。また特に地方では顧客も小規模で、顧客特性に合わせた地元密着の対応が求められます。そんな中で最も重要なのは、在庫をいかに工夫するかということ。当社はラック倉庫も早期に導入しましたが、効率的な在庫のための倉庫管理は不可欠。小規模な商いだからこそ、システムによる最大限の効率化が業績を左右するのです。今後は配送のシステム化なども検討していきたいですね。JPICさんのシステムは、長い経験の積み重ねと、かゆい所に手が届くようなきめ細かな対応が最大のメリット。あえて注文を付けるとすれば、やや重いのが難点ですね。今のメリットを残しつつ、もう少しすっきり軽くなれば、というのは無いものねだりでしょうか(笑)」

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新システムの導入に携わられたシステム担当の副代表社員 井上雅文氏

代表社員メッセージ

維新に沸いた長崎から操業120余年 「行不由径」を胸に堅実な歩みを
当社の創業は明治20年代。和紙の名産地・八女の
在住だった初代が、維新で栄えた長崎へ和紙を運んで商い、やがてこの地に居を移したことに始まります。昭和14年には二代目が自らの名を社名として会社を設立、今日に至っています。

当社の社訓は「行不由径」。かつて祖父が地元の名士から揮毫を受けた言葉で、「行くに径(こみち)に由(よ)らず」、つまり大きな道を歩けという意味があります。昨今の厳しい経済状況の中、どんな会社も生き残りをかけて新しい道を求め、模索していることと思います。特に九州では地理的特性から、中国や韓国、東南アジアからの輸入紙の影響が大きく、地方の小さな紙卸商である当社にも、グローバル化の波は容赦なく押し寄せています。そんな中で、当社が歩むべき「大きな道」とは何か。それは地道に、堅実に自らの足元を固めること、一人ひとりのお客様に誠実に向き合うことであると私は考えています。創業から120余年、「行不由径」の原点に立ち返り、確かな歩みを続けてまいる所存でおります。

 

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代表社員
井上順平氏

企業プロフィール

本社所在地 長崎県長崎市栄町4-20
TEL 095-826-8155(代)
代表社員 井上 順平
設立 1939年8月
資本金 3,300万円
従業員 25名
導入月 2014年9月
URL

※本文中の肩書および内容は2015年取材当時のものです。

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