Case study

導入事例

PROTS IV

合資会社 井上勲紙店 様

継続性とさらなる合理性を求め、最新のPROTS IVを採用。

企業さまのご紹介

江戸時代から南蛮貿易で栄え、明治維新の舞台のひとつともなった国際都市・長崎。そんな長崎の地で、井上勲紙店は創業から120余年という長い歩みを続けてきました。昭和50年前後という早期に導入されたシステムは、リプレースを重ねて着実に進化。2014年9月には最新のPROTS IVを採用し、継続性と合理性のさらなる向上を実現しました。

使用ソリューション

紙業界企業向けソリューション(PROTS IV)

PROTS IVは、紙業界特有の販売形態に対応したソリューション。多彩な入力支援機能で、紙業界の商取引に則った伝票入力が簡単に行えます。また、営業活動を支援するリアルタイム情報を、さまざまな角度から検索することも可能。テレワークでの使用、BIデータの活用、電子請求書に対応するなど、進化を続けるPROTS IV。今後も、お客様独自のカスタマイズ要件にも対応し、さまざまなオプション機能を開発していきます。

Interview

最新のPROTS Ⅳを導入し継続的に使えるシステムを

─ 今回のリプレースの背景には、前システムの稼働から8年が経過していることに加え、WindowsXPやWindowsServer2003の保守終了という問題もありました。これらに対応し、より長期的なシステム運用を可能にするため、オープンソフトウェアで開発されたPROTS IVを導入。ハードウェアも一新し、最新の業務環境を実現しています。今回のリプレースについて、システム担当の井上雅文副代表は次のように話されます。

副代表 井上 雅文さん

副代表
井上 雅文さん

(井上副代表)リプレースに当たって特に要望したことは、継続的に使えるという点。今回はデータベースシステムも変わりましたが、データベースの中身を公開し、これまでと同じ中身、同じ使い勝手を実現していただくことを重視しました。ですからリプレース前の社員研修などもまったく不要で、負担なく切り替えできましたね。この点は、長く手がけているICTSさんの強みといえるでしょう。また、当初パソコンはWindows7での提案でしたが、やはり少しでも長く使え、地元でも入手しやすいなどの事情から、Windows8への変更にも対応していただきました。

─ システムの具体的な改善点としては、倉庫のロケーション管理をサブシステムとして採用したのが大きく進化した点です。これまでも、ロケーション管理は従来のシステムを工夫して行っていたそうですが、サブシステムとして組み込むことでより合理的な運用が実現。伝票入力も大幅に簡素化されたそうです。また前述の水害の経験などから、特に東日本大震災後はBCP(事業継続計画)対策の必要性も感じておられたと井上副代表は話されます。

(井上副代表)データのバックアップをどうするかは懸案事項でしたが、新システムではバックアップ体制も万全になり、データは遠隔地の安全なデータセンターで守られます。そうなると逆に通信途絶の対応はどうするか、といった問題も浮上しますが、とりあえずデータを完全に守るという点では一歩前進だと思っています。

早期に導入された自動ラック倉庫

─ 昭和50年頃という早期のシステム導入から今回のPROTS IVまで、常に最新のシステム体制を追求し続ける井上勲紙店。最後に井上副代表が描くシステムの将来像と、ICTSへのご意見をうかがいました。

(井上副代表)紙というのは非常に特殊な世界で、大きさや種別が大変多く、当社でも登録コードは1万件を超えます。また特に地方では顧客も小規模で、顧客特性に合わせた地元密着の対応が求められます。そんな中で最も重要なのは、在庫をいかに工夫するかということ。当社はラック倉庫も早期に導入しましたが、効率的な在庫のための倉庫管理は不可欠。小規模な商いだからこそ、システムによる最大限の効率化が業績を左右するのです。今後は配送のシステム化なども検討していきたいですね。ICTSさんのシステムは、長い経験の積み重ねと、かゆい所に手が届くようなきめ細かな対応が最大のメリット。あえて注文を付けるとすれば、やや重いのが難点ですね。今のメリットを残しつつ、もう少しすっきり軽くなれば、というのは無いものねだりでしょうか(笑)

維新に沸いた長崎から操業120余年
「行不由径」を胸に堅実な歩みを

代表取締役社長 井上 順平さん

代表取締役社長
井上 順平さん

(井上副代表)当社の創業は明治20年代。和紙の名産地・八女の在住だった初代が、維新で栄えた長崎へ和紙を運んで商い、やがてこの地に居を移したことに始まります。昭和14年には二代目が自らの名を社名として会社を設立、今日に至っています。
当社の社訓は「行不由径」。かつて祖父が地元の名士から揮毫を受けた言葉で、「行くに径(こみち)に由(よ)らず」、つまり大きな道を歩けという意味があります。昨今の厳しい経済状況の中、どんな会社も生き残りをかけて新しい道を求め、模索していることと思います。特に九州では地理的特性から、中国や韓国、東南アジアからの輸入紙の影響が大きく、地方の小さな紙卸商である当社にも、グローバル化の波は容赦なく押し寄せています。そんな中で、当社が歩むべき「大きな道」とは何か。それは地道に、堅実に自らの足元を固めること、一人ひとりのお客様に誠実に向き合うことであると私は考えています。創業から120余年、「行不由径」の原点に立ち返り、確かな歩みを続けてまいる所存でおります。

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    早期に導入された自動ラック倉庫

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    本社社屋